18/38
前へ
/38ページ
次へ
刺激。 低く響く若先生の声。 このヒトの放つ言葉はあたしをいつでも麻痺させる。 「なぁ、無理なんだ」 真っ直ぐに見据える眼差し、この上もなく溢れた色気。 それに飲まれてしまいたくなくて。 大きく息を吸い込んで、ふぅっと一気に吐き出した。 「蜜しか、ムリ――」 バクバクと激しく打つ心臓。 見つめた先に熱く燻る何かを見つけて。 とてつもなく恥ずかしくなって、俯いてしまう。 凄く真面目な話になっていて、改めて正座をして良かったと、心の中で呟いて、顔を上げた。 視線が絡むと同時。 唇の端があがって 眼が細められた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2258人が本棚に入れています
本棚に追加