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「事故だ! 茂子さん、先生達呼んできて!」 あたしと茂子さんは病院に一度戻りそれぞれに別れて動く。 あたしは子機を持ち救急に連絡をしながら、診察室で救急セットの用意をする。 住所と今見た限りの事を伝え、電話を切った。 「えー、っと、輸液、っと。」 点滴を数個ベットの際に積み上げておく。 カバンを掴んで病院を飛び出し事故の現場へ駆けつけた。 パパ先生と若先生、茂子さんが先にいて、怪我人を調べているらしかった。 吉川医院は、片道2車線ずつの旧国道沿いにある。 少し手前にある交差点は国道へ抜ける道に繋がっていた。 「事故なんて最近なかったのに」 軽自動車と乗用車の正面衝突、そして避けきれなかったんだろうか、二輪車の追突だった。 乗用車の運転手は自ら車を降りてきたらしいが、軽自動車の運転手が潰れた車体に右足だけが挟まっている。 そして、二輪車の運転手は弾き飛ばされて意識がなかった。
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