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「上がってくか?」 お兄ちゃんが若先生に聞く。 「いえ、失礼します。」 「なんだ、つまんねぇな」 「すいません、また後程」 綺麗に頭を下げて車へ乗り込む若先生。 エンジンが掛かって車はUターンを描く。 「おまえら付き合ってんの?」 車を見送る間にポツリと呟いた兄。 「……え」 「研修医と、いやもう違うか。 アイツとデキてんのか?」 「デキてる、って… どんな昔の言い方よ」 「……昔なのか」 あたしが何も答えないでいると またポツリと呟いた、お兄ちゃん。 「これは難しいな…」 「何が?」 あたしの方を向いてニヤリと笑う。 「理解あるオヤジになんのは やっぱヤメだ!」 「はぁ!?」 「くっそ、吉川の野郎。 蜜を毒牙にかけやがって」 「なに?」 「オレは、認めん」 「だから、なに??!」 「蜜、吉川との交際は認めんぞー!」 「はぁ?」 「わははははは!」
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