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目が覚めたのは7時半。 病院からの帰り道、若先生の車の中で寝てしまったあたしは 朝ご飯以来、今まで何も口にしていなかった。 切に感じる空腹。 グー、と鳴くお腹。 「腹へった……」 そんなあたしを見て若先生は一言。 「色気より食い気だな」 そう言って笑う。 小一時間くらいでお互いに作れるモノ。 冷蔵庫にあるもので。 アジの開き ほうれん草のお浸し あたし担当。 えのきと大根のお味噌汁 カボチャの煮付け 若先生担当。 キッチンは広いし、作りやすいし、しかも若先生の手慣れてる事、手慣れてる事。 合間を見て、米を研ぐ若先生に胸がキュン、となった。 予定通り一時間足らずで仕上がる晩御飯。 なんとなくキッチンカウンターで並んで食べたくて、ビールを傾けて乾杯。 なんだかどれもこれも美味しくて。 水を差したくなかったけど、思いきって聞いてみる事にした。
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