2478人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
8
目が覚めたのは7時半。
病院からの帰り道、若先生の車の中で寝てしまったあたしは
朝ご飯以来、今まで何も口にしていなかった。
切に感じる空腹。
グー、と鳴くお腹。
「腹へった……」
そんなあたしを見て若先生は一言。
「色気より食い気だな」
そう言って笑う。
小一時間くらいでお互いに作れるモノ。
冷蔵庫にあるもので。
アジの開き
ほうれん草のお浸し
あたし担当。
えのきと大根のお味噌汁
カボチャの煮付け
若先生担当。
キッチンは広いし、作りやすいし、しかも若先生の手慣れてる事、手慣れてる事。
合間を見て、米を研ぐ若先生に胸がキュン、となった。
予定通り一時間足らずで仕上がる晩御飯。
なんとなくキッチンカウンターで並んで食べたくて、ビールを傾けて乾杯。
なんだかどれもこれも美味しくて。
水を差したくなかったけど、思いきって聞いてみる事にした。
最初のコメントを投稿しよう!