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「あのヒトのオペに立ち合った時、今までの医者人生がひっくり返った」
話ながら、なんだかとても楽しそうに見えるのは気のせいだろうか。
「今まで見た事も、聞いた事も、習った事もないそんなオペだった」
あぁ、なんとなく分かるなぁ。
あたしもオペは血が騒ぐ。
器械出しの時なんかは、まさにそう。
アレ使うかな
こっちかな。
いや、こっちでしょ。
みたいな感じで、不謹慎かもだけどワクワクしたっけ。
つまんないオペをするドクターはどんなに腕が良くてもトキメかなかったなぁ。
あたしがオペ、という科目に興味を持ったのはまだ小学3年生の頃。
兄が持ち帰っていたオペのビデオをよく見ていた。
兄が家を出て、一人で暮らすようになってからもよく見てたっけ。
今から考えると、オタクか変態。だけどあの頃のあたしは暇さえあればオペを見る事に没頭していた。
この話を聞いて、お兄ちゃんのオペに器械出し出来たら、楽しいのかなぁ。
と、思っている自分がいる事に正直、ビックリした。
あたし、ナースやりたいのかなぁ。
そう考えていた間にも若先生の話は進んでいた。
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