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あたしは若先生を見上げて。
若先生はあたしを見下ろす。
「お前はどっちがいい?」
逆に質問で返されて。
若先生の醸す雰囲気に怯んじゃって言葉すら出てこない。
「蜜、どっちがいい?」
若先生がしゃがみこんで
あたしと視線の高さを合わせた。
眼を細め、唇の端をクッとあげた。
「好きな方、選べよ…」
あたしの眼は若先生を追って左右に小刻みに揺れた。
「どっちにする?上?それとも、下?」
囁かれた瞬間
止まる鼓動。
そうしてまた、いつもよりは2割は早く刻み出す。
「涼せんせ、好き――」
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