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ああ、言っちゃった。
布団の上で向かい合って座り込んで。
余計に恥ずかしくなって心拍数がぐん、と上がった。
若先生のリアクションはまだ、ゼロ。
早まったかなぁ?
と、思っていたところ。
あたしを正面に捉えた強く妖しい眼差し。
「蜜」
ハッキリした音に思わず身体をビクつかせた。
「はい」
それでも返事を返した方がいいような気がして。
「覚悟はできたか」
何時か、何時だったかも聞いたセリフ。
あたしの眼を真っ直ぐに見て問う。
「覚悟、して」
妖しく細められた眼
意思を主張して上がる唇
そして
優しくあたしの頬を包む掌。
どれもこれも凄く愛おしく感じて。
「蜜」
甘く囁いて、その吐息が近付いてくる。
「いつもよりも、甘い、な」
視線が絡んだまま、若先生はもう一度囁いた。
「蜜、愛してる」
満足そうに笑む若先生を見つめてあたしは大きく頷いた。
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