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今までのキスとは違う。 お互いの気持ちを綴ったソレは 柔らかく、和やかに、あたしを侵食する。 鼻から漏れる切ない息と 唇の端から零れる二人の体液が 勿体ない、と感じるくらい お互いを密着させ 徐々に増す絡みつきに、我慢出来ずに 喘ぎがあがる。 「蜜……」 「……んっ」 「甘いな、甘くて……やべぇ」 一度離れたキスが 再び落とされた時 若先生は息を荒げた獣に変わった。 牙を剥き出し 喰らい付いた喉元に 自分だけのマーキングをする あまりの激しさに驚いてビクついた身体は 四肢ごと押さえ込まれた。 剥かれた浴衣 手首は帯で括られて その牙はそびえ立つ山のたもとを往復する 頂を指で弾き そして、長く、赤い舌で囲い 楽しそうに啄んで あたしの、名を呼んだ。 蜜、蜜、蜜…… 溢れるのは仕方がなくて こんなにも沢山の潤いを 貴方の為にしたためて待ち望む。 「さあ、蜜、どうしてほしい?」 「……きゃぁっ」 人差し指で一度だけ、その泉を掬い あたしの目の前に差し出しながら その指をあたしの口の中へ突っ込み 舌を侵す。
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