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ここに連れてきてもらっただけで有難い事なんだから。
本当なら、一生こんな素敵な旅館なんて泊まれなかったかもしれないし。
と、自分に言い聞かせているところ。
目の前に並んでいる、朝食達は冷めても美味しいモノばっかりで…。
何故冷めたご飯なのか、っていうのはまた、ちょっと…、うん。
それは、さておき。
夕べ。
愛の告白を交わしたあたし達は、特にこれといって変わる事はなく。
例えば、若先生が急に優しくなった、とか。
ベタベタしてくる、とか。
そんな事は全くない訳で。
相変わらず
「おぃ、何無視してンだよ」
とか、
「てめぇ、いい度胸じゃね?」
とか、
「ここでシメてやろぅか」
とか……。
耳を疑うようなセリフまでもが飛び出す有り様で、あたしは今までよりも干渉されてる気がしてならない。
こんなに何でも出来て
見て呉れも悪くなくて
仕事もバリバリ出来て
スマートな所作をするヒトが
なんで、あたしなのかは、まだ謎のままだけど。
だけどそれでもあたしが若先生に愛を感じてる事は間違いなくて。だから、それでいいか。
と、思う事にした。
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