2477人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
「若先生、なんか楽しそう」
「そ?」
あっさり返されてるけど。
「じゃあ、新しい家でいいんだな?」
そりゃ、もう前のアパートにはなんにも無いわけですから…。
帰っても生活出来ませんよ。
「えぇ、はい。そんな感じでお願いします。」
あたしが仕方なく返事をして。
若先生はこの上なく愉快な様子。
車は順調に高速を下りて、都内を走り出した。
世の中はクリスマスイブで、街中にはサンタクロースが其処彼処(そこかしこ)に居た。
そこで、ハタ、と気付く。
あ、あたし。
プレゼント…。
プレゼント、忘れてた。
ガーン!
という効果音がまさに当てはまる展開。
ヤバい、全く頭になかった!
だって、クリスマスなんて関係無かったし!
って、それ言い訳だし!
あぁ、あぁ、ああ~。
どうしよう……。
あんな立派な温泉に連れてってもらって。
美味しいお酒まで鱈腹飲みまくって。
……豪勢だったなぁ。
昨日、今日の事を少し思い出したりなんかして、夢のような1日だった事を改めて振り返る。
でも、このヒト。
欲しいもんなんかあるのかなぁ。
何でも持ってそうだし、自分で欲しいもんは買っちゃえるよねぇ。
参ったなぁ。
みんなどんなのあげたりするんだろ。
最初のコメントを投稿しよう!