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慌てて窓の外に顔を戻す。
夕べの事は
あたしにとっては人生で初めての体験で。
誰かに愛を伝えて契る
そんな事を自分がするとは思っていなくて余計に恥ずかしくなった。
魂ごと触れあって(勝手に思ってるだけだけど)
全部、委ねて。
なんて心地好くて、素晴らしいんだろう。
火照った顔は益々赤くなる。
どうしてだか分からない。
わかんないけど。
無性に
渇きだした。
わからないくらいの小さな溜め息を吐き出す。
「蜜」
若先生に呼ばれて、ハッと我に返り、視線を向ける。
「はぃ?」
呼ばれた意味はまだ理解出来ずに首を傾げて。
すると、眼を細めた若先生。
ドクン、と跳ねた心臓が何秒か止まったような。
そんな事は無いのに、そんな気がして。
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