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どこをどうしたら
一体全体こうなったんだ。
大体、どこにそんなお金があったんだ。
お兄ちゃん、稼いでるヒトな訳?
駅前
タワーマンション
高層階
考えただけでも恐ろしい…。
エレベーターは無事に25階に到着して。
中の人をにこやかに見送るお兄ちゃん。
「気をつけて~」
ちょっと嫌味な挨拶も付け足して手を振っている。
なんて大人気ないんだろう。
このヒトもう40過ぎてるんだよね。
そう考えたらこれから先、気が滅入った。
扉が閉まる間際。
若先生の強い視線はあたしに向けられて。
唇の端が僅かに上がった。
「後でな」
低く呟いてエレベーターはさらに登って行く。
取り残された訳ではないが、なんとなーく気まずいような雰囲気漂う25階のエレベーター前。
「さ、部屋どこよ」
何事も無かったかのようにあたしは聞く。
兄の後ろ姿は何故か固まったままで。
ちょっと肩なんか震わせてるような感じにも見えたり…見えなかったり。
ゆっくり振り返ると
その顔は無表情で。
「後でだぁ?」
あたしに確認するように、自分自身に聞かせるように言ったその言葉にあたしは苦笑いする。
「誰が行かせるか」
ニヤリと笑いながら呟いた兄。
ギラギラとたぎる何かを感じたのはあたしだけか。
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