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別に感動させようとか、 涙ぐませようとか、 そういう事を考えて言ったんじゃなくて。 でも、ちょっとは感動的な場面なのではないかと思ってたから。 リアクションが何も無い事に心配…して、振り返った。 ぎゃ! そこにはものっ凄く考えてる兄の姿。 まるで、あの有名な考えちゃうヒトばりの勢いで考えてる兄。 「な、どうしたの?」 あたしが声をかけてみて、直ぐ。 「なぁ、今お前さ、お兄ちゃんも、好きな事していー、つったよな?」 あ、何? そうだけどさ。 あたしはコクコク頷いた。 「お兄ちゃんも、の、も、って事はあたしもするわよ、って事だろ?いやあたしも既にしてるから、って事だよな」 「はぁ~???」 「………」 暫く視線が絡んで。 「ダメ」 「は?」 「駄目です。好き勝手はいけません。あぁ、そうだ。 門限ありますからね!」 「はぁ?」 「お兄ちゃんは蜜をお嫁に出すまで、いや、お兄ちゃんの目の黒いうちは清く正しく生活してもらいます!」 ……………。 あ、開いた口が塞がらん…。 口を真一文字に結んでうんうんと頷く姿はまるで悟りを開いているどこぞの偉いヒトのよう。 「お兄ちゃん…」 「なんだい、妹」 「ウザイ…」 前言撤回してもいいと思った。 そんな言われようしてるのに、心なしか嬉しそうに見えた兄は、まんざらでもなかったんじゃないかなぁ、とまた勝手に思ったりしていた。
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