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*********** 「おぃ、どこをどうしたら こんな画(え)になるんだ」 そう呟くのは、 腕を組んで真新しいソファに態とらしく(わざとらしく)胡座をかいている、兄。 片や、兄の正面のこれまた真新しいソファに優雅に座る若先生。 あたしは、初オープンキッチンからこの2人の姿をご飯を作りながらチラチラと眺めていた。 引っ越して来たばかりの部屋につい1時間ほど前に現れたお客様=若先生に動揺を隠せない兄。 一応、ビールを出して和ませてみようと試みてはいるが、和んでいるのは若先生のみ。 あたしもキッチンドランカーでその戦況を見守っている最中。 「折原先生、飲まないんですか」 若先生の余所行き口調が炸裂。 缶ビールを兄のグラスに注ごうとするも兄はただ沈黙。 若先生は全く打たれる事無くそれを自分のに注いだ。 あたしはもう笑いを堪えるのが必死で必死で。 途中で何回ビールを吹き出しそうになったか数えられない。 あ、ヤバイヤバイもう、火、消さないと。 圧力鍋で根菜を仕込み中。 美味しい煮込みができる予定。 そうこうしているうちに、エビフライが揚がって、とりあえずストックお摘みと一緒にテーブルへ。 「お待たせしました」 あたしの声にやっと目を開けたお兄ちゃん。 「おー、旨そう! ちゃんとした日本食なんて久しぶりだなー」 さっきとは打って変わった感嘆の声をあげた。 「ご飯は楽しく食べてください」 あたしのセリフに小さくはーぃ、と答えた兄は、一変、豪快に飲み始めた。
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