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あぁ、まいった。 スッゴい酒豪のイメージだったけど、そんな事無かったかも。 いやいや、やっぱり一昨日は驚く量を飲んでたけどなぁ。 分からない…。 でも確かに、ワインって不思議なアルコールのような気がするし。 あたしもシャンパンやスパークリングは酔いが早いような気がするし。 ま、良しとしよう。 それはさておき。 兄を部屋に置き去りにしてきた今日はクリスマスイブ。 こんな日に かかか、彼氏?と一緒に過ごすだなんて、もう何年もご無沙汰だわ。 しかも手ぶらだけど。 何も無いよ、プレゼント。 手を引かれてエレベーターに乗り込んだところで軽く視線がぶつかる。 相変わらずの強い眼差しにグッときて。 心臓がばくばく音をたて始めた。 すぐに最上階まで連れて来てくれたエレベーター。 静かに扉が閉まる。 やっぱり造りが違う。 部屋数が明らかに少ない。 それだけひとつの家が広いんだ。 しかも、メゾネット。 あたしもひょんな事からここに住める事になって、凄くスゴくラッキーだけど。 このペントハウスはホントに凄いの域を超えてるくらい凄かった。 フワリと香る井草の匂い。 玄関を抜けても尚、繋がれた手。 そのまま階段を登って、広い広い和室へ辿り着く。
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