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ガヤガヤと賑わう吉川医院の1年がまた終わろうとしている。 もうここで仕事納めを迎えるのは今年で3度目だ。 「よいお年を~」 「年明けは何日からだっけ?」 「7日からです」 今回の冬休みはちょっと長めの10連休。 お休みは嬉しいんだけどあたしにとっては何気にもて余しちゃったりする。 いつもは叔父さん家に大晦日から2日位までは居させてもらって、その後は自分家に帰っていた。 今年はあたしの周囲がいつもとは違うのでどうなる予定かはまだ分からないけど。 若先生のメール。 明日迄に、予習と記されていた。 …今日迄、って事かなぁ。 それとも明日に、かなぁ。 まぁ、一応の事は頭に入っていたりするから。 でもそれ以上の事は分からない。 そう考えていると美紀さんが叫んだ。 「あぁ、終わった! 終わったぁー」 日報をカウンターの上に置き、ぐーっと伸びをしている。 最終日の今日も昼までという事もあって始めのうちは混み混みだった。 「終わりましたか」 ちょうど1診からパパ先生も出てきて受付を確認した。 1年の始めと終わりにはちゃんとご挨拶をするのが吉川先生の方針で、今日の仕事納めも受付業務が全て完了した時点で皆を集める。 「皆さん今年もお疲れ様でした」 パパ先生が皆が揃ったのを確認してから話し出した。 お話、といってもホントに簡単なご挨拶程度で敢え無く終了。 「よいお年を」 お決まりの年末ご挨拶で締め括られた。 「あ、折原くん、ちょっと来てくれる?」 「は、はい…」 終業後、呼び出されるなんて初めての事で。 ちょっと不安になるような事もあったりして、皆が控え室に入るのを横目で見ながらあたしは院長室へと入った。
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