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「ごめんね、呼び出して。
すぐ済むから」
あはは、と柔らかく笑いながらパパ先生はソファに座り、あたしを促した。
「失礼します」
ちょうど座ったと同時に扉が開き、若先生も入ってくる。
な、な。
なに!?
「で、どこまで話が進んでるのかな」
若先生があたしの隣に腰を降ろすとパパ先生が話し出す。
「まだなんも進んでねぇ」
は?
何が進むの?
「明日、折原を連れてって様子見るつもり」
「なんだ、そうなの」
いやいや、なんの話か全く分かんないし。
そこで、あたしは思い切って口を開いてみる。
「あ、あのぅ、何の話、でしょうか?」
一応最後にえへ、と微笑んでみて様子を伺った。
「あ?」
若先生がこちらに首を向けて
ちょっと威圧的な音を出す。
「明日、わたくし、どこかに?
どこへ?」
そんな若先生とあたしの様子を見て、ぷっ、と軽く吹き出したパパ先生。
「なんだ、涼、それも伝えてなかったの」
そう言って、またあははと笑うパパ先生。
ごめん、ごめん、と付け加えてあたしの方に向き直った。
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