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車に乗り込んで若先生が直ぐに。
「予習、ちゃんとした?」
「えー、一応は?」
尋ねられてそう答える。
シートベルトがカチャリと音を立てて、それを合図に車が静かに動き出した。
「帰ったら用意して」
「は?」
「すぐ出るから」
「…どこへ?」
その問い掛けにはスルー。
「2泊分」
「へ」
泊まりで行くようなとこなのか。それも2泊…。
「あの、どこに行くんですか?
兄に連絡しないと」
「もう許可もらってるから、いってきますだけ言っとけ」
あ、開いた口が塞がりません。
どうしてこう秘密主義なんだろうか。
場所ぐらい教えてほしいけど。
携帯を取り出してメールに気付く。
予想はしていたものの、やっぱりそれは兄からで。
ぶっ。
心の中で吹き出したつもりがちょっと外に漏れてしまう。
お兄ちゃん、どうして平気で妹にこういったメールを送るんだろう。
メールの内容があまりにも生々しくて読んでいるだけで恥ずかしくなってくる。
だけど、最後の一行だけはまともなモノで。
しっかり勉強してきなさい。
そう締め括られていた。
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