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な、なんだアイツ…
思わず併設の椅子にペシャリと座り込んだ。
「医者って…どうしてあんなのばっかりなんだろう…」
きっと若いのにここにいるんだから腕はいいんだろう。
将来出世コースなのかも知れない。
若先生の周りってあんなのばっか…り、って、ひょっとして!
そっち系な訳?
あり得る。
イイ男とか、デキる男が実は…って。
頭を振って妄想を打ち払いブースを飛び出した。
館内の案内が目の前にデカデカと掲げてある。
「へぇ、託児所もあるんだ」
働く女性スタッフの為に託児所を併設する病院、増えたなぁ。
時計を確認してオペ開始まで後1時間程。
とりあえず喉の乾きを潤す為に展望レストランとやらに向かう。
綺麗な施設はいいなぁ。
と、なぜか旅行気分。
窓際の一番端に空きを見付けてミネラルウォーターのペットボトルを片手にそこに座った。
やっと緊張が抜けたのか、欠伸を一つ。
あぁ、ダメだダメだ。
今から自分は立ち合わないとは言っても、勉強しに来てるんだから。
とは言ったものの。
ごくごくと水を飲み干して、目の前の景色をボーッと眺めていた。
暫く魂が抜けたみたいな状態でいた時。
「折原…?」
不意に掛けられた声に少し驚いて、そちらに振り向いた。
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