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ブースに戻ると既に何人か人が集まっていた。
白衣、スーツ、白衣、白衣、スーツ…。
こんなに見に来るなんて、みんな熱心なんだね…。
「山下先生」
「あら、こんにちは」
初老の男性があたし達に近付いてきた。
山下先生の後ろでペコリと頭を下げる。
「お、可愛いお嬢さんを連れてるんだね」
「でしょう、私のイチオシなんです」
男性はチラリとあたしに視線を向ける。
「ちょっと、先生、あんまりジロジロ見ないであげてください、困ってるじゃないですか!
ねぇ?折原」
「折原?」
訝しげな視線と共に傾げられた首。
「折原と申します」
再び頭を下げて向き直った。
「こちらはここの偉いオジサン、浜田先生よ」
「どうも浜田です。」
浜田と名乗った男性が何かを言いかけようとした時、下のオペ室の扉が開く。
深いグリーンの術着とマスクで殆ど分からないけど、一番最後に若先生が入ってきたのだけはしっかりと確認。
ドクンと全身が波打つ。
あ、れ、?
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