11

28/38
2285人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
ブースに戻ると既に何人か人が集まっていた。 白衣、スーツ、白衣、白衣、スーツ…。 こんなに見に来るなんて、みんな熱心なんだね…。 「山下先生」 「あら、こんにちは」 初老の男性があたし達に近付いてきた。 山下先生の後ろでペコリと頭を下げる。 「お、可愛いお嬢さんを連れてるんだね」 「でしょう、私のイチオシなんです」 男性はチラリとあたしに視線を向ける。 「ちょっと、先生、あんまりジロジロ見ないであげてください、困ってるじゃないですか! ねぇ?折原」 「折原?」 訝しげな視線と共に傾げられた首。 「折原と申します」 再び頭を下げて向き直った。 「こちらはここの偉いオジサン、浜田先生よ」 「どうも浜田です。」 浜田と名乗った男性が何かを言いかけようとした時、下のオペ室の扉が開く。 深いグリーンの術着とマスクで殆ど分からないけど、一番最後に若先生が入ってきたのだけはしっかりと確認。 ドクンと全身が波打つ。 あ、れ、?
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!