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「へっ???」 「精神的に乱れるのか、というお話ですが」 ブンブンと首を左右に振る。 「私の事を仰ったんですよね」 切れ長の目が細められてますます長く、そして鋭くキレていく。 「いえ、決してそうではなくて」 慌てて取り繕っても100%ダメに近い。 フ、と笑って大森先生は口を開く。 「大丈夫です、そう言った類いの事をよく言われます」 あぁ、やっぱり。 って、ソコ! 頷くとこだけど、頷いてる場合じゃないし! 廊下が二手に別れている所で立ち止まった大森先生。 あたしが歩いて行こうとしている方向とは違う方へ足を向けた。 大森先生が止まったのであたしも必然的に止まらざるを得なくて。 「で、その答えですが…」 何故だか、分からない。 分からないけど ゴクリと唾を飲み込んで続きを待つ。 「乱れますよ。 特に、ベッドの中では」 ………………。 は? 今、何と?? 「それでは」 手に持っていた紙の束を後ろ手に振りながらスタスタと歩いていく、大森先生の背中を見つめながらポカンと口を開けたまま暫く立ちすくんでいた。
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