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「は…?」
今、なんか聞いちゃいけない事を聞いたかもしれない。
松本さんはまた仕事?に戻って、パソコンのキーを鳴らした。
水を飲んで壁に掛かった時計を見る。
「あ」
ゴクリと喉が鳴る音が思いの外大きくて。
今の時刻を見てそれほど驚いてしまった。
「あ、あの、これ、お昼の3時じゃないですよ、ね?」
何をバカな事を言ってるんだろう的な目であたしを見た松本さんは何かを言いかけて口を閉じた。
間違いなく3時を指した時計と、レースのカーテンの引かれた窓の外を暫く視線だけで往復して、今の正確な時間を確認する。
ソファセットの横に置かれたバッグに気付いて慌てて携帯を探しだした。
ヤバい
マズい
「あぁ!!」
な、な、
なんて事!
ちゃ、ちゃくし、着信が32件も!
突然アワアワと焦りだし
背中を嫌な汗が覆った。
メール、メール!
メール17件。
どどどどどうしよう!
「ま、まつもとさぁぁん」
情けなく口から出た音に
ため息を吐く松本さん。
そして迷惑そうな瞳を向けて立ち上がった。
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