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さて。 どうしたもんか。 一応、置き去りにした荷物の中から携帯と若先生の荷物を持ち出してきてはみたものの。 いや、まさか。 お兄ちゃんの彼女がアンジーだったなんて。 じゃあアンジーが未来のお義姉さん?? あ、若先生はアンジーの事知ってるんだし 聞いてみるっていう手もあった。 とにかく 若先生に荷物を届けよう。 約一日ぶりに手にした携帯で 早速発信。 「なに」 はやっ! 呼び出し間もなしに繋がった電話。 「あ、お疲れ様でした。 荷物どうしますか」 「あぁ、取りに行く」 「あ、いや、今は行かない方が」 「は」 「えっと、そうじゃなくて あたし、そう!あたしが持って行きたくて! 行ってもいいですか」 こんなしどろもどろな怪しい言い方じゃ何かあったのかって、丸分かりだし。 お約束じゃない。 情けな……。 心底ピンチを切り抜ける術が乏しい事を恨みながら、いいですか?と再度念を押した。 少しの間の後、どうぞ、と促されて。 ロビーにいたあたしは コンシェルジュにお願いする。 確認をきちんと取ってから28階への通行許可がおりる。 はぁ、めんどくさ。 と、心の中ではそう呟いて 最上階を目指す箱に乗り込んだ。
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