13

1/39
前へ
/39ページ
次へ

13

マンションに帰ったあたしを待っていたのは 怒り狂った兄…… では、無くて。 もちろん、そんな兄のお説教でもなかった。 目が点。 開いた口は塞がらず。 ねぇねぇ、 アンタ、あたしに言いましたよね。 いやいや、言い切りましたよね。 そして昨日もダメダメ言いましたよね。 あたしの目の前に 広がったこの景色… いや、図? いやいや、画(え)は一体何なんだ。 つい15分くらい前に 恐る恐るくぐった自分家のドア。やけに静まり返る部屋に物凄く恐怖を感じて。 リビングに続くドアを開けると 惨劇が繰り広げられたかのような散らかりよう。 しかも、全てがアルコールの脱け殻。 息を呑んで、開け放たれた兄の部屋の扉の前に近づいて…… 絶句、ですわ。 兄のキングサイズのベッドの上。 寄り添う男と女。 男はもちろん、言うまでもなく この家の主で。 そして、女。 ……見間違えるはずは無い。 これはまさしく、アンジー。 一時、若先生か大武先生の彼女かと思っていた、あのアンジー。 おにーちゃん。 ダメダメじゃん。 何が、オレもしない!だよ。 してんじゃない。 裸で腕枕は言い逃れ出来ないよ。 あたしは携帯を取り出して カメラでパシャリ。 ニヤリとほくそ笑んで、部屋を出た。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2373人が本棚に入れています
本棚に追加