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大森先生の意図は この時は、まだはっきり見えなかった。 が、 何故か頷く自分にビックリした。 「ほんとうに、宜しいですね」 「はい」 念を押す表情に 笑いは含まれておらず。 あぁ、助けてくれたんだ、と思った。 あっさり引き下がったのも きっと傷口を広げない為だったんだ、と。 「わかりました。 悪いようにはしません」 一息入れて 「早く方を付けましょう」 そして、頭の上にフワリと掌が置かれた。 それから急患が立て込んで 今夜の事はまるで夢だったかのように 思い返す暇さえないくらい 仕事に追われていく。 そうして、夜勤を終えたお昼前 あたしは師長の福山さんに呼ばれて、外科部長室前に並んで立っていた。 どうしてこうなったか、くらい分かっている。 夕べの事かなあ、と心の中で福山さんに話しかけてみたりする。 部屋に入ると 島田先生と大森先生が座っている。 あぁ、やっぱり。 と再度心の中で呟いて部屋の扉を閉めた。

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