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謝ったところで不可解なキスマークの件は解決しない。 本当に知らないんだ。 だけど 目星は付いていた。 こんな事をするのは 若先生を除いてあたしの知るところでは一人しかいない、と思う。 忘れていた訳でもなんでもなくて 夢だと思っていたから 頭の中で言い訳?を考えている間に 燃えるような、焦げるような ペナルティは続く じきに何も考えられない程に熱く 休む間も無いくらいに永く でもこれはペナルティでもなんでもなくてただただ愛されているんだと そう思わずにはいられなかった。 寒さが北半球を覆っているのに 汗ばむ身体が二人の隙間を更に埋めていく。 獣のように絡まっていたかと思えば 緩やかな流れのようになり そうかと思えば、また貪るように抱きついた。 確か記憶では………… お昼過ぎに再会して、それから直ぐに始まった宴。 もぅ、窓の外は真っ暗で 遠くにビルの在処を知らせるライトが点滅している。 「余所見してんなよ……」 「…ん…」 火が付きそうな程に火照る身体が 淫猥な音を奏でながら不規則に揺れる 「蜜、甘くて、狂いそうだ……」 優しく囁かれて それと比例するリズムで 何度と無く引っ張り上げられて あたしの身体はとうとう臨界にまで達する と、ける どろどろに融ける………… 快感を通り越した極致 何て表現すればいいんだろう。 混濁の中に落ち込む瞬間に見た 若先生の顔は 穏やかな中にも眉を寄せた苦しげな表情で きっと、彼も今、同じ感覚を共有したんだと、あたしを喜ばせた。
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