16

31/39

2120人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
醸し出すオーラが素敵すぎる。 若先生と大森先生だ。 流石、キャーキャー言われるだけの事はあるわ。 少し離れて後ろ姿を見ながら廊下を進んだ。 何かを話しているのは明確で だけど何も聞こえない。 ふーん、二人って会話するんだ。 なんて思っていたら。 バサッ、という音と共に 前をただ歩くだけだった二人に異変が起こった。 一体、何が。 少し向こうの方で見えている事実に困惑した。 術着の襟首を掴んで…… いや、襟を締め上げて、何かを告げている。 二人の距離は物凄く近くて。 ドキン と、したのと。 ガンっ と、したのと。 前者は驚き。 後者は…… 後者はある時までBL路線で攻めていた その人のソレが再燃したのか、と、ちょっと勘違いした事に因るもの。 いやいや、無いだろ、無い。 掴み掛かっていたのは紛れもなく若先生で。 掛かられていたのは、大森先生。 時間にして ほんの何秒か、なん十秒か。 スィ、と大森先生から手を引き また何かを告げる、若先生。 あたし、視力だけは結構自信があって。 見間違いなんかじゃない。 若先生は綺麗に微笑んでいた。 …………………………やっぱり 路線逆戻り?? そして、何事もなかったかのように 二人はまた何かを談笑しながら歩き出す。 訳の分からない思いがグルグルと渦巻く胸の中、腑に落ちなさを抱えたまま 二人の後を着いていった。 さっきよりも倍の距離を保って。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2120人が本棚に入れています
本棚に追加