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ＥＲに着いた時には
ただならぬ雰囲気で…………
前を歩いていた二人のドクターも駆り出されたんだ、と気付いた。
「おー、折原！トリって！」
あたしの顔を見るなり叫ばれて
「ト、トリって、って……」
略すなよ。
と、突っ込みたくなったけど、ソレはソレで置いといて。
トリアージ。
災害時や、救急時に患者さんの症状を緊急、重症などで分類して治療の優先順位を決める事。
ざっと見て、今治療に４人、ホールに10人か……。
本当の災害現場なら、トリアージ・タッグをつけて色分けするんだけど。
ってゆーか、ドクターがやらなきゃいけないでしょう。
災害時責任者はアンタだろ、浅野。
「ま、いいか」
聞いたところによると
工事中の現場に、トラックが突っ込み
足場が崩れて現場作業員と通行人、そしてトラック運転手が運び込まれたとか。
しかも、すぐそこの交差点で。
そりゃ、うちに来るわなぁ。
歩いて自力で来た患者さんもいるらしい。
あたしは待合室で一人一人、目を合わせながら声をかけた。
「あぁ、足に落ちてきたんですね」
「頭、痛くないですか？」
「あ、この輪ゴム、絶対はずさないで下さいね！」
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