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「では、緑の輪ゴムの方、すいません、こちらへ移動してください!」
10名程いる患者さんの7割は軽症だと判断した。
「折原!赤いる?」
「はい、こちらの方です」
あたしが浅野先生に促したのは見た目ピンピンしてそうな中年の女性。
「あ、そう」
「意識3です、MRIお願いします。
ご本人はおでこに何かが飛んできた、と仰っています、森本さん、気分悪くないですか??」
森本さん、と呼んだ元気そうな中年の女性は、あたしは大丈夫よー、なんてまた大袈裟な身振り手振りを披露した。が、
すぐに車椅子でナースがMRIに運ぶ。
「それから、こちら川上さんです」
トラックが突っ込んで来た時に飛んできたドラム缶に当たり、一緒に撥ね飛ばされたとの事。
「肋骨です、今血ガス、生化出しました。
レントゲンと、CTお願いします」
あたしはディスポを外しながら言った。
「なるほど」
浅野先生は頷いて、最近は少し慣れてきた研修医君に直ぐ様CT室へ連絡させて、川上さんを運ぶように伝えた。
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