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若先生も開放骨折の処置をしていて、こちらの方が難航したという。 開放骨折は簡単に言えば皮膚が裂けて骨が飛び出る骨折で、感染症の確率を如何に下げるか、また、血流豊富な皮膚組織の確保と、早くに創閉鎖が出来るかによって予後が大きく変わってくる、なかなか手間が掛かる症例だ。 オペ部に戻って来た上野さんとあたしは荒井主任を交えて申し送り事項を伝えていた。 「まぁ、よかったよね」 「そうですね」 「でも、あの二人が心臓以外なんてね」 「いやいや、凄かったですよ?」 「大森先生もです」 研修医に指導する若先生と、パソコンに向かう大森先生をみんなで交互に見て、少し笑った。 「何でも出来るんですね」 「ほんとだね」 「そりゃ、アメリカにも行きますわなぁ」 「折原、何その言い方!」 おばあちゃんみたい、と言われようが何だろうが、しみじみと出たセリフには違いない。 だけど、あたしも実務を積んでスキルアップしなきゃ、と思い始めるようになっていて 案外3年なんてあっという間に過ぎて行くんじゃないか、なんて考えたりして。 きっとこの先も沢山の壁にぶち当たったり、何処かに嵌まったりしながらナースという仕事を続けるんだろうなぁ、と そんな風に考えていた。
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