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角部屋の特権で、お風呂の窓からはお月さまがぽっかりと覗いて見える。
窓を開けると高層階ならではの強風が吹き込んでくるために、狭い窓の開放は厳禁で。
空気抜き程度なら開けられるんだけど、今の季節は流石に遠慮がち。
満月の夜は血が騒ぐんだろうか。
あたしはさっきの大森先生を思い出してゾクリと背中を震わせた。
掠れた
艶のある声
視界も、呼吸も遮られた一瞬で
愛を囁くなんて
なんて、ニクい演出なんだ。
『好きです』
あたしの耳にハッキリと届いたソレは
間違いなくあたしの心を揺さぶった。
ダメな女だなぁとつくづく思います。
好きな人は若先生だけなのに。
愛してるのも若先生だけなのに、他所からちょっと誘惑されるとドキドキしちゃって、ホントにダメな女です。
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