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「…なんですか」
「つれないねー、妹よ。
もっと、俺にベタベタしろよー」
「は?」
馴れ馴れしく肩に手を置いてきた折原先生のその手を躱しつつ(かわしつつ)
「折原先生、キモイ」
ごーん、と何かが頭の上に落ちてきたかのような折原先生の顔を面白い、と思いながらまた続けた。
「で、何用??」
「お前、ホントにツレナイよね」
「今は勤務中だし。で。何?」
はぁー、と溜め息をついた折原先生は、仕方なしにやっと本題に入った。
「あー、その、なんだ、あれだあれ」
「は?あれって?」
「あれは、あれだ」
「…さっぱりわかりません。じゃ」
急にしどろもどろになった折原先生に愛想をつかして足を速める。
「待てよ」
グイ、と引っ張られた腕。
折原先生との距離がやけに近くて。
「お兄ちゃん、近い」
キッと睨んで。
「蜜、お前、吉川と連絡取ってんの?」
どうして、そんな事をいきなり聞くんだ、という謎と
連絡取ってない、という事をひょっとしたら見抜かれているという事実と
それがあたしの答えを遅らせた。
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