2078人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「お前さ、大森先生とそーゆー関係なわけ?」
………そう来たか。
って、事は。
「お兄ちゃん、起きてたの?」
「起きてたっつーか、まぁ、その
oh………、well,,」
「聞いてたの」
暫しの沈黙。
沈黙=肯定だな。
「大森先生とは何でもないよ」
「何でもないのにチューとかすんのか
この、不良娘っ!」
「起きてんじゃん」
「じゃん、ッてなんだ!じゃんって!」
「お兄ちゃん、ガミガミうるさい」
「うるさいってなんだ、うるさいって!」
あー、もー!と頭を掻きながら折原先生が短い溜め息をハーッと吐き出した。
「お兄ちゃん、大森先生とは何でもないの。
だから、気にしないで」
「じゃあ、気にさせるような事になってんなよ」
「………それは、ごめん。
だけど、ホントにそんな気ないの」
「蜜、モテんのな」
「は?」
そこ?
あんた、今大森先生の事、どうこう気にしてたよね?
「いやー、まぁ、とびきり美人じゃないけど、まぁまぁ、悪くないしな、いや、お兄ちゃんから見れば、それはそれは可愛らしいぞぅ!」
切羽詰まってたかと思えば
デレデレし出しちゃって、いったい何なんだか。
「とにかく、お兄ちゃんもうこの事については口出ししないで!
分かった?」
「………」
「お願いしたからね。
もし、首突っ込んできたら」
「ら?」
「もうご飯作ってあげないから」
「ノー!!!!」
バカ………。
だけどバカなのはあたしか。
あんなとこ、見られてたらそりゃ心配になるわな。
ごめん、お兄ちゃん。
心の中でお詫びして
あたしは先を急ぐ。
「だけど、蜜、俺はお前の兄貴だからな。
やっかいな事になってたら、嫌でも突っ込むからな」
と、背中から真面目な音が聞こえて。
振り向かずに手を振った。
最初のコメントを投稿しよう!