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重なっていた呼吸は
あたしのだけが早くなっていく
焦がれて、待ちわびて
早く繋がりたくて
「ちゃんと眼、開けて」
極度の緊張からくる目眩だろうか
瞼を開けると軽く世界が回っていて
少しでも離された唇が嫌で
次は自分から重ねた
‘イキそうじゃね?’
さっき、そう言われたっけ
頸動脈に滑り降りた唇が囁く
「脈、早いな」
掴まれた左胸
下弦をなぞりながら持ち上げられて
「心臓、飛びそうだな…」
「…っ」
掌が膨らみを包みながら
荒く、優しく動きだす
火照る身体は
アルコールに侵されている時よりも
はるかに酔っていて
吐き出す音は全て厭らしく
溢れ出した欲は内股を滴り流れ落ちた。
何をされても達しそうなのに
そうなる前に離されて、逸らされて
おかしくなりそうなくらいに
悶絶する。
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