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「蜜」
「…ん」
たった数時間の宴があたしに与えた悦の数は数多(あまた)。
その中の数個が意識をもぎ取って連れ去ろうとする。
若先生の苦しそうな顔を垣間見て、優越を感じる。
吐き出される吐息の中に官能のため息が混じり出して
また、これ程となく震える。
違う、奮える。
珍しく
高ぶりに声をあげる若先生を
離したくなくて、しがみついた。
息を狭めて
身体が揺れる
こんな季節なのにお互い汗にまみれていて
それがまた一興。
どちらからともなく
絡み付いた身体の動きが止まって
それまで、届いていなかった周りの音が流れ始めた。
だけど、それでも離れる事はなくて
ぺたり、と張り付いた身体が冷たくなった頃に、やっとバスルームへ移動した。
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