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こんな事は滅多にないんだけど………
遅刻、するかと思った。
“文句言えねぇからな”
と、言い放たれた後
どこをどうされたのか、ずっと立て続けに『ON』の状態にさせられたあたしは
ユラユラとゆっくり揺れるだけの若先生の妖しく、艶やかな笑みを見ながらいつの間にか記憶が掠れていた。
気がついてみれば
もう15時を回っていて
慌てて夜勤に滑り込んだ。
「あ、あぶなかった…」
担当患者さんの申し送りをカルテチェックしながらホッと溜め息を漏らす。
「なーにが、危なかったって?」
ビクッ、と肩を上げて振り向いた先に
山下先生。
「や、山下先生!どうしたんですか?」
先生は外科のはずで、どうしてERにいるのか不明。
「今日、浅野の代わり」
「えー、そうでしたっけ??」
知らなかった事に驚き、目の前のホワイトボードを見上げた。
「あ、ホントだ」
「あ!おりはら!」
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