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「どっちともなんにもしてません」 楽しそうな山下先生には申し訳ないが キッパリと否定する。 「じゃあ、なんでキスマーク、つけてんのさ。 こんなとこに」 ちょうど、喉と顎の境目の 顎がわをちょんちょんとつつきながら言われて、ハッと気付いた。 まさか、そんなところに! と、いうのが正直な感想。 「大森じゃないの? あの子、すっごい事しそうじゃない? された?どうだった?」 「いやいやいや、先生、されてないってば」 一人妄想を膨らます山下先生。 尾ひれが付いて広まる前にちゃんと釘を刺しておかなきゃ、という思いで、若先生の一時帰国を伝えた。 「えー!そうなの!?」 と、半ば態とらしく驚いて。 「なぁんだ、大森だとおもったんだけどなぁ。 つまんなーぃ」 「つまんなくありません!」 「ふーん、でも吉川もなかなか熱い男だねぇ!」 ニヤニヤを更にニヤつかせながら肩をパシパシと叩いていく。 「楽しそうですね」
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