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深夜のERは賑やかで
眠る事を知らない。
ナースが交代で勤務をこなす中
ドクターはぶっ続けで診察、治療、緊急オペをこなす。
今日、山下先生と変わった浅野先生は
救命専従医でここ最近はずっとERに詰まっていた。
とにかく軽症~重症まで幅広い救急治療を求めて患者さんが入ってくる。
そんな中、一際目を引く女性がERの受け付けに立っていた。
綺麗なブロンズの髪を緩く一まとめにして何かを探している。
目の色は薄い薄い茶色
色素の薄いのは瞳だけじゃなく、肌の色もそうだった。
あ、目を引かれてる場合じゃなかった?
あたしはペロリと舌を出して仕事に戻る。
今夜のERもかなりの忙しなさで
そんな噂が届いたのは遅い昼過ぎの申し送りを終えたところだった。
「THE ド疲れ」
オペ部に私物を取りに来たあたしの姿を見て、高橋さんが指摘する。
「蜜さん、ホントに疲れてますよ。
ヤバい、その顔」
「そう?」
「忙しかったですか?」
「うん、緊急オペに続けて入ったらこの有り様さ~」
「あははは、ヤバーイ!」
楽しそうに笑う高橋さんを見て
そんなにヤバいんだろうか、と少し心配をしていると。
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