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部屋には有難い事に、テレビも付けてくれていて、困る事は無かった。 明日が休みだという事もあって リビングにいる男の事もあって 「夜更かし過ぎでしょ」 デジタルの時計は03:28。 そんな時、ちょうどノックされたドア。 ノックされた割にはちっとも開かないドアを見つめて不思議に思い、ドアを開けた。 「お、大森先生どうしました??」 「折原先生、寝ちゃったんだけど部屋、どこ?」 敬語じゃない言い回しにちょっと怯んで。 「あー、またですか、いえあそこで布団掛けます。」 あたしはリビングへ向かう。 お兄ちゃんはホントにたまにしかお酒を飲まない。 いつも呼び出しがあれば夜中でも病院へ行く為だ。 だから、こんなに飲む、っていう事は 今日はそんな必要が無いって事なんだろう。 布団を掛けてリビングの片付けをする。 大森先生はまだ少し残ったバーボンを飲み直していた。 バーボンの瓶の中身はもう、殆んど残っていなくて。 「先生、強いんですねお酒」 「酔えないだけ」 それを世間では強い、と言うんです。 口には出さずに突っ込みを入れながら。 「あ、あっちに、お布団ひいときましたからどうぞ」 「あっち、ってお前の部屋?」 「は??」 んな訳ねーだろー。 ああ、口調が悪くなって困る。 「いいえ、物置」 大森先生の方に目線を合わせずにあたしはゴミをキッチンへ移動させた。 軽く洗い物をしているとグラスを持った大森先生がキッチンへ入ってきた。 「ご馳走さま」 グラスをあたしに差し出して。 「残ってますよ」 グラスに少し残った茶色の液体。 クイと煽って、口の中に運ばれたソレ カランと氷が綺麗な音を立てた。
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