オレ様日記2

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「おぃ、涼、それ、マジで言ってんの?」 診療時間後、一診からこっちに移ってきた大武に半ばキレ気味に噛みつかれた まぁ、怒りたくなるのも当たり前だわな ようは、ダチのオンナ まだどうこうはなっていなかったにせよ 想い人を横からかっさらったんだから 「あぁ」 「マジかよ……だからか…」 シンと、静まった院内 もちろん、受付にはまだ蜜が締め作業に勤しんでいた 「大事に温めてたのに……」 心底残念そうに吐き出す大武 そんなお前に未練は残ってねぇ そんな事もあったな、とついほくそ笑んで 更に大武の反感を買った 「……信じらんない」 こんなに往生際悪かっただろうか、と 思わせるような諦めの悪さを見せてくる大武に、ちょっとだけ同情しながら 「悪ィ」 軽く謝った 「そんな風に軽々しく口にすんなよ だいたい、悪いなんて思ってないだろ」 「……まぁ、そんなには」 少し考えて 正直な所を答えて、またキレられた そんな時、ドアの向こうが少しだけ騒がしくなる 直ぐに二診のドアがノックされて、蜜が顔を覗かせた 急患だと言った蜜 一応いいですか?とは聞いて来たものの、自らディスポをはめて準備をしている 「いいも、何も、お前……」 有無を言わさずオレにもディスポを渡してくる辺りは、流石 溢れてくる笑いを閉じ込めながら患者を呼んだ
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