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宴の途中でオレの目が離れているのをイイ事にイチャツク2人の姿が視界の端に何度も飛び込んで来た
イイ根性シテイルナ、アイツ
‘つ’の字型のソファーテーブルはちょうど、オレと両サイドの前には誰も居なくて
隣でよくもまあ、こんなに次から次へと口が動くもんだ、と感心するくらいに喋り倒し、たまにもたれ掛かるという動作を繰り返す
本当にオレにはうっとーしーだけの駒鳥
「あ、やだー、大森先生、仲良しですね~」
隣の口うるさいナースが蜜にスリ寄った大森を囃し立てる
「大森先生やーらしー」
黄色い声が飛び交う中でオレは心を沈めるためにグラスを煽る
空になったグラスには直ぐ様ワインが継ぎ足され、アルコールに困る事は無かった
イライラする度に飲みたくもないアルコールを喉に流す
あー、帰りてぇ
「えーすごーぃ」
「吉川先生素敵」
「ホントですかぁ」
あー、うるせぇ
水代わりに飲み始めた白ワインが3本目に差し掛かった頃、山下(最早敬省略)までもが蜜に手を出している現場を目にして
イライラがピークに達する
オレ、どこまで独り占めしたいワケ?
フ、と薄ら笑いを浮かべて
また、グラスの中身を空にした
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