オレ様日記10

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一つのアクションごとに 一つ身体を震わせ 乱れようとする癖に どこか冷静さを保とうとする 場所柄、誰が来てもおかしくはないような所で忍び逢う事に 彼女の理性が働くからだろうか そんな、なんて事のない懸隔(ギャップ)に 頭が痺れる 唇に触れただけでは もう既にもの足りず 誘うように開いた隙間から入り込んで 蜜の口腔を侵す 「……っ」 これは、キツイナ オレでも我慢が出来なくなってくるのに 「蜜……甘いな」 なんとか離れて囁いたいつものセリフ 下唇を舐めたのは繋ぎの為 蜜の艶混じりの溜め息が オレのオトコの部分を強烈に撫で上げた 途端に強く香る甘く、甘い誘いは 鼻腔から脳髄に直接突き抜ける 「部屋、取っとく 終わったら、来いよ」 唇に触れるだけのキスを残して 余韻を響かせる オレを見る眼に揺らめく灯火を見つけて それだけで今は我慢してやるよ 愛しい対象に フ、と眼を細めると 蜜の口許がキュと締まった 見届けて、クルリと来た道を戻っていく さて、部屋、取れっかな
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