29 #2

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29 #2

リビングの ピン、と張った雰囲気 さっきからやけに気になる 時を刻む音 隣に座る吉川 涼が動いたのは それから数分後の事で。 「彼女には、この話をしていません それよりも先に、折原先生に蜜さんとの 清い交際と結婚のお許しを頂きたい」 なんでも 彼のやる事成す事には 意味があって、筋が通っていた。 言葉は少ないけど、押さえる所は きっちりとそのスイッチ握っていて 的確なタイミングでそれを押す。 この話だって、なんにも聞かされてはいなかったけど それよりも先にこの大仏の許しをって…… き、きっと何か 意図があるに、決まってる? そう信じたい……。 若先生を美化し過ぎかなぁ、あたし。 大仏の眉毛がガン、と上に上がったのを見た時、その口から吐かれたのは 心底怪しげな声。 「……清い交際?清い? きよい、だぁ?」 「はい」 睨む大仏と微笑む釈迦 信仰心が厚い方々、こんな二人の比喩にしてしまって本当に御免なさい。 だけど、思考回路が真面目に働かない今、元々沢山のボキャが無いあたしには 思いつかなくて……
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