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イザナイアウ 対のように合わさった唇から 溢れる愛しさは どちらの方が多い? ヒカレアウ 触れ合った躰は どちらの方が先に溶けはじめる? 答えなんて出ない。 欲求は尽きる事は無いから。 「甘いな、蜜」 そんな風に囁いた若先生。 ゆっくりと起き上がってから あたしの腕も引っ張った。 すぐ近くに 寄せられた顔。 「さて子猫ちゃん、お話の時間ですよ」 頬を撫でられながら 言われた事の無いセリフに 物凄く恥ずかしさが襲ってくる。 「何今更照れてるわけ?」 「え……と、」 唇の端を上げて 眼を細めたその顔は あたしの疼きをキュンキュンと 螺旋状に締め上げる。 「さぁ、何から話そうか 先ずは誤解を解かないとな?」 あたしに触れる指先が もうそんなのを既に何処かにやってしまったけど 若先生の口から語られるソレを 聞いてみたくて、コクリと首を立てに振った。
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