オレ様日記15

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マリエの心の中が 手に取るように分かる 彼女の表情に ‘落胆した’ 彼女の親父には本当に世話になっている 尊敬もしているんだ だから何度も言わせないでくれ これ以上は幻滅させるな オレになんか固執しなくても もっといい奴もチヤホヤしてくれる奴も 沢山居るだろう 「これから彼女と約束がありますので、お引き取り願えますか」 蜜の肩を抱き寄せながら さっきまでとは変わって にこやかに微笑んだオレに 「……そぅ、婚約者ね…」 固く、冷たい音を出す 更に形を崩したマリエは オレの隣に視線を移すと その表情をギュッと縮ませた 「わかったわ、ちょっと待って 用意する時間くらい、頂戴ね」 大きく吐き出された息と同時に 聞こえてきたマリエの言葉は オレに向けられていたが その視線は、隣に投げられていて 言い終えるか終えないかのうちに 体を翻した
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