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優しい 優しい笑みを見せた若先生。 「折原 蜜さん、一緒に アメリカに来てくれませんか」 眩しいのと 擽ったいのと 真っ直ぐに届いた若先生の言葉に さっきから込み上がりかかって いたものが、再び始動する。 また、ギュウと抱き寄せて あたしの肩に顔を乗せて 「C州で免許の申請許可がおりた」 「えっ」 「まぁ、もともとある程度までは パスしてたからな 最後の難関にフェローに入ってたよーな もんだ」 ここからが長いんだと、聞いていた。 色んな書類を不備なしに提出しなければならなくて 長ければ1年以上も掛かったりする 場合もあると。 「出世証明も、忘れなかったしな」 笑いながらまた、顔をあげて あたしと視線を絡める。 「……嬉し泣き?」 いつの間にか零れていた涙を 唇で拭い そして、キスをする。 「お、おめでとう、ございます」 「うん」 「ありがとう……」 ほぼあたしの中に直接囁かれた ありがとう 暫くの優しいキスに 時間の経過も忘れるくらい、没頭した。
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