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夕べオレがヘネシーを空けた頃に
こっそりとやって来た蜜は
オレの姿を見て一瞬怯んだ様子
「鳴らしたんですけど……」
ドアフォンを?
知らねぇ
「そ?」
「よ、酔っぱらい?」
「……まーまー」
目の前までソロリと近付いた蜜を掴んで
膝の上に乗せ、いつものように
喰らいつこうとして
「ちょ、っと、待って……」
顔に押し付けられた小さな袋
「あのっ」
「いてぇ」
袋の
無機質でいて苦い味が
口の中に広がる
「一緒に、見て?」
「は?」
ごそごそと取り出した
四角い箱
見間違いではなければ
‘妊娠検査薬’の表示
オレは首をひねった
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