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あたりを見渡せば、まだ友次郎も父さんも起きてはきていなかった。
今しかない。
この虫けらを殺すのは今だ。
そう思った私は松枝に声を掛けて、先に1階の母屋へと向かうようにと促した。
素直に、その言葉の通りに、松枝は階段へと向かっていった。
そしてソロリと背後にしのび時を待つ。
松枝が階段へと向かい、足を下階へと向けたその時――
ドン!!
私は思いきりに松枝の背中を押した。
ゴン!ガン!ガン!ドタン!
松枝は階段に身体のあちこちをぶつけながら、面白いようにスムーズに落ちていった。
途中で腹をぶつけ、下半身からも大量の血が流れ出る。
やった!やってやった!!
これで赤子はもう生まれない!!
汚い血を撒き散らしながら、1階へと転がり落ちる松枝の姿を上から眺める。
なんと絶景なことか。
背中がゾクゾクとして興奮した。
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