3/12
前へ
/29ページ
次へ
あたりを見渡せば、まだ友次郎も父さんも起きてはきていなかった。 今しかない。 この虫けらを殺すのは今だ。 そう思った私は松枝に声を掛けて、先に1階の母屋へと向かうようにと促した。 素直に、その言葉の通りに、松枝は階段へと向かっていった。 そしてソロリと背後にしのび時を待つ。 松枝が階段へと向かい、足を下階へと向けたその時―― ドン!! 私は思いきりに松枝の背中を押した。 ゴン!ガン!ガン!ドタン! 松枝は階段に身体のあちこちをぶつけながら、面白いようにスムーズに落ちていった。 途中で腹をぶつけ、下半身からも大量の血が流れ出る。 やった!やってやった!! これで赤子はもう生まれない!! 汚い血を撒き散らしながら、1階へと転がり落ちる松枝の姿を上から眺める。 なんと絶景なことか。 背中がゾクゾクとして興奮した。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加