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「正直、夜の遊びには興味がなかったんだ。 時間つぶしでいいや、そんな気持ちだった」 「でも、ここで松枝の姿を見て、僕は心臓が飛び跳ねたよ。 一目ぼれだった」 「友次郎…様?」 憧れの、片思いだと思っていた友次郎さんから聞こえる言葉はアタシを夢うつつな気持ちにさせる。 「一目ぼれしてから2年間。 松枝の事が頭から離れられなくてここに通って。 僕は通い続けるうちに松枝の内面も好きになってしまったようだ」 「ねぇ松枝。 好きだよ。 今日はそれだけを伝えたくてここに来た。 出会って2年になる今日…どうしても気持ちを伝えたかったんだ」 友次郎さんの言葉にアタシは下を向く事しかできなかった。 「客である僕からこんなこと言われても迷惑だったかな。 ごめんな、松枝。 いやな気分にさせてしまったのなら今の事は忘れてくれ」 アタシは下を向きながら、口に手を当てて、震えながら言葉を発する。 「…いいえ。違いんす」 「友次郎様の言葉が嬉しゅうて…。 わっち一人の、叶わぬ恋だと思ってんした」 「友次郎様。 わっちもぬし様のことが好きでありんす」 「松枝…!」 そう言いながら、友次郎さんはアタシのことをきつく抱きしめてくれた。 アタシはそれに応じて友次郎さんの体へと腕を回し――そしてお互いにお互いの体を強く激しく、求め合った。
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