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3年後――
アタシは籠のように大きくなったお腹を抱えながら帳簿とにらめっこをしていた。
「うーん、今月の売り上げは…」
ここは友次郎さん一家が切り盛りをしている薬屋。
アタシは今、ここで生活をしていた。
「あまり無理はしないでな」
帳簿片手に頭を抱えていると、愛しい旦那様が頭をポンとさわり、優しく声をかけてきてくれた。
「友次郎さん、ありがとう。でも大丈夫ですよ」
遊郭で思いを通じ合わせてから数日後、友次郎さんはアタシを身請けしてくれた。
大金を払ってもらって――
吉原の籠から出ることとなったのだ。
その後、アタシは友次郎さんと婚姻関係を結び、今では友次郎さんとの子をお腹に身籠っている。
大切な友次郎さんとの赤ちゃん。
いつ生まれてくるのだろうかと楽しみに思う日々。
こんな幸せな時を過ごせるなんて、遊郭にいたときは思わなかった。
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